yuzaのブログ

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成恵の世界

数十年生きてきた中で見聞きした創作物についての思いを綴っていこうかと思います。記述の誤りや解釈の違いについては、お許しください。

 

一回目は『成恵の世界』。学生の頃、深夜にTVKで放送されていたのを知り、その後原作の漫画を読むようになりました。この作品のおかげで深夜アニメにはまったのだと思います。

 

主人公である七瀬成恵飯塚和人恋愛模様が軸となっている作品ですが、和人が優しさと人の良さだけが取り柄の、どこにでもいるおとなしい少年として描かれているため、彼に憧れた青少年は多かったでしょう。私もその一人でした。

この作品、六巻まで読んだ後十年以上続きを読んでいませんでした。中学生である二人の恋愛模様が、モテない学生生活を送ってきた自分にはまぶしすぎたのです(自分自身が和人に良く似ていたというのも辛かったです)。要は、彼女がいない自分と和人を引き比べたわけです。

 

時を経て、彼女ができてから、やっと続きを読むことができました。昔は単なるコメディリリーフにしか思えなかった成恵の姉である香奈花が、実は利他愛に溢れた素晴らしい人柄だったのを知ったのが一番の収穫だったように思います。結婚するなら成恵が一番ですが、友人として付き合うなら香奈花でしょう。

 

自分を深夜アニメの世界へ引き込んでくれたアニメ版では、成恵を当時売り出し中だった能登麻美子、和人を銀魂でおなじみの阪口大助が演じていました。他にも福山潤千葉紗子、今は亡き川上とも子などが脇を固めています。能登麻美子は自分の青春でした。

 

あれから二十年近く、今でも深夜アニメを見続ける自分を作ったのは、紛れもなくこの作品だったでしょう。

 

成恵の世界

原作:丸川トモヒロ

連載:月刊少年エース99年6月号~2013年2月号(休載期間あり)

単行本:全13巻